流行のシェアハウスには定期借家制度が必須

 シェアハウスというのはルームシェアのことを指しますが、ゲストハウスという言い方もあり、この違いの正式な定義は定まっていないようです。

 ゲストハウスというのは昔の簡易宿泊所(ベットハウス)の延長で、1日、1週間など短期の宿泊施設と考えてよいのではないでしょうか。宿泊施設なのですが、旅館業法の許可を得ていないものが多いようです。

 外人のバックパッカーが安く泊まることができる場所を探したら、ドヤ街のベットハウスだった。それらは比較的都心部に立地しており、安い料金が好まれて口コミやインターネット上で広まり、やがて日本人にも広まったのではないでしょうか。

 シェアハウスは、一つの家を複数の仲間や同級生などで借りるといった、外国ではよく利用されている住まい方です。

 外国留学から戻った人が外国で体験したシェアハウスの利点を日本で実行したら若者に広く受け入れられたことから、ここ数年で一般の人にも知られるようになり賃貸住宅の一形式と定着しています。

 当初は若い学生などが中心でしたが、今はOLからサラリーマンまで一般人が多く申込みをするようです。それも、安いからという理由から申し込むのではなく、シェアハウスに住んでみたいという積極シェアハウス派が多いということです。

 子供が独立した後に夫婦二人で住むには広すぎる、しかし広い家には借り手がつきにくい、といった悩みをもつ家主にはシェアハウスはピッタリです。各室の独立性(鍵をつけるなど)を保てる部屋が多くなるように改装すれば、直ぐにオープンできます。しかし、近所では「見ず知らずの男女が共同で住んでいる」「男ばかりが住んでいる」という物件は色眼鏡で見られることも少なくないようですから、地元に長く住んでおられる家主さんは女性専用などにした方が無難なようです。

 一般住宅をシェアハウスに改修するには、改修費用もそれほどかかりません。改修費のかさむ設備部分をいじらないで済むからです。しかし、共用で使用する冷蔵庫・洗濯機やテレビ・調理器具は必需品です。シェアハウスでは一般の賃貸住宅のように立地が賃料を決めるだけでなく、住まいの中身で賃料は決まります。その上、住宅を一棟丸ごと貸すよりは倍以上の収益を目標としますので、内装や設備などをを充実させて快適な居住空間をつくることを重視すれば、賃料も高くなり、質の良い入居者を集める事ができます。

 それでは、シェアハウスの賃貸契約はどうなるのでしょうか。借地借家法で1年未満の契約は無効となってしまいますので、普通借家権(一般の賃貸住宅で使用している契約方法)では1年以上の契約になります。しかし、シェアハウスでは一定の期間を居住空間として借りるというよりは、一定の期間をあるコミュニティで生活するといった意味合いが強いため、コミュニティを乱す入居者がいた場合、シェアハウスに住む全員に大きな負担がかかります。だからといって、暴力沙汰ではなく、態度や言葉使いが悪いからといって契約を解除することはできません。

 そこで、活用されるのが定期借家契約です。定期借家契約なら借家期間を自由に決められ、借家契約期間の満了時にはコミュニティにそぐわない人には出て行ってもらうことが可能なのです。

 問題のない人には再契約ができるような契約書にすればよいのです。しかし、ここで注意が必要です。1年以上の定期借家契約にした場合、期間満了の6~12ヶ月前に期間が満了する旨の通知をしなければ万一入居者が居直ったりした場合に立ち退きを迫ることができないのです(期日を忘れた場合は通知してから6ヶ月後には有効)。

 そのため1年未満の364日の定期借家契約で再契約可能とすれば、6ヶ月前までの通知は省略でき、364日たって問題のある入居者のみ契約を終了すればよいのです。

 シェアハウスだけでなく定期借家契約は、賃貸不動産で悩むことの多い、立ち退き問題、賃料問題、不良入居者問題、家賃滞納問題、などが一気に解決する画期的な契約手法なのです。しかし、その利用方法が周知されないため、普及がいま一つ伸びていません。